吉行淳之介『砂の上の植物群』
- 作者: 吉行淳之介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1966/04/27
- メディア: 文庫
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主人公の亡父の幻影がなんども登場するのには辟易したけれど、
(作者の思いも重なっているようだから余計に)
いつものあのけだるい空気を感じられるのが好き。
全体的には湿っぽいのに、身体が合わさる場面の描写なんかはとても乾いていて、
不思議な人だなあといつも思う…って故人だけど。
関係した姉妹を鉢合わせさせるところや、
主人公が年齢を経ていく妻を見る目なんかの残酷さには、
不思議とぞくぞくさせられる。
去年のことだけど、絶版になっていた気になっていた本が再版されて、
これもなかなか読んでよかった。
ヴェニス 光と影―ヴェニスに漂う“死の予感”と“官能の名残り”
- 作者: 吉行淳之介,篠山紀信
- 出版社/メーカー: 魁星出版
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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吉行氏はヴェニスに到着すると、早速体調不良のためホテルで療養。
そのらしさが可笑しかった。
題字は田中一光氏。美しい表紙。
- 作者: 開高健,吉行淳之介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1985/11/27
- メディア: 文庫
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