FABRICA「LES YEUX OUVERTS (将来を見据えた目)」(Shiodomeitaliaクリエイティブ・センター )


羽田からのモノレールを降りて最初に向かったのがこの展覧会。
ベネトンのアートスクール「FABRICA」って安藤忠雄さんの設計の写真が頭に浮かぶけど、具体的にどんなプロジェクトを手がけられているのかを初めて知った。


印象に残ったのは、展示の先頭にあった「I see」というルポルタージュインスタレーション
丁度前述の『静かな爆弾』の主人公がドキュメンタリー制作に没頭していたので、その小説世界の続きのような錯覚を感じながら、世界の性差、経済格差、環境問題の現状をみてまわった。
同様のテーマはNHKのTVなどの方がずっとたくさんの情報を得られるのだろう。
でも数枚の写真の方が、より強い記憶を残すこともあるんだと思う。


Evidence」という映像作品は、TVを観ている子供の表情を捉えたもの。
画面には衝撃的なシーンが流れているようだけれど、カメラはテレビ側から撮っているので子供たちの反応だけしか映らない。
彼らは一様にひきつった表情を浮かべていて、まるでつくりもののような不自然さを感じてしまう。
それほどストレートに刺激を受けとめてしまうということなのかな。
日本の子供たちのだったら、もっとリアルさを感じられるのだろうか。


「Flipbook!」は名前の通りパラパラ漫画をつくっていく、観客参加型のインスタレーション
紙ではなく、画像データを早送りでスライドさせていく。
そのデータを作成するソフトの説明はとくになくて、エスキースを続けながら操作に慣れていく過程が楽しかった。
最初は思いつきもしなかったアイデアが、だんだん形になっていくのも嬉しい。
仕事で案を練るのとは違って、頭がほぐれていく感じが精神的にもよいなあと思う。
(↓下記のHPの画像をクリックすると作品がみられるし、MAKE!のところでは作品がつくれる)
http://www.benettonplay.com/toys/flipbookdeluxe/index.php