柴崎友香「フルタイムライフ」

フルタイムライフ

フルタイムライフ



社会人1年目のOLの日々を淡々と綴った小説。
私はこの作者と年齢があまり変わらないし、
舞台が大阪であることもあって、
書かれていることのリアルさがよく伝わってきた。
でも読み終わったあと、なにが私に残ったかと考えると、
なにも出てこない。
主人公のOLは日常的な出来事に気持ちを揺らがせながらも、
ずっと平坦な毎日を過ごしている。
それはラストまで同じだし、小説が終わってもきっと続いてゆく。
ただ朝起きて会社に行って食べて寝るだけの生活に、
どうやってメリハリを与えていくのかが、一般の人のテーマだと思うし、
(少なくとも私はそうだ)
不毛な日々のサンプルを延々と提示されても、
あまりいい気分になれるものではないですね。
たまにこういうの読むのは面白かったけど。