読了した2冊

ガールズファイル―27人のはたらく女の子たちの報告書

ガールズファイル―27人のはたらく女の子たちの報告書

新刊書コーナーでちらりとみかけて気になった本。
働く女の子達へのインタビュー集と、後半は20代OLをモデルにした小説という構成。
HanakoWESTで連載されていたそう。
インタビュアー兼著者は柴崎友香さん。
以前私はフルタイムを読んで感想を書いてた。
http://d.hatena.ne.jp/whirligig/20060312/1142172063
今回の読後感も似たような感じかな。
自分が20代だったときの等身大の女性が登場するのは共感がもてるし、
大阪が舞台だと親近感があって、読んでいて心地よいのだけれど、
なんだかそれが馴れ合いのような気もしてきて悲しくなっちゃった。


カリスマ建築家偉人伝―20世紀を動かした12人

カリスマ建築家偉人伝―20世紀を動かした12人

建築に関わるマンガ的な登場人物を設定して、それらに建築家を語らせる対話形式の入門書。
私は建築本を愛読しつつ専門的な教育を受けていないので、
今まで齧ったことを結びつけていくのにいい本だった。
いきなり登場するマルト・スタムが「キャンティヴァーチェア」のパイオニアだったとは知らなかった。



BRUTUS (ブルータス) 2008年 2/1号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2008年 2/1号 [雑誌]

これはざざっと立ち読み。石上純也さんが結構登場していたのに惹かれて。
今号の特集と、石上さんらが手がけられるヴェネチア・ビエンナーレ建築展2008のテーマがリンクされているのですね。
ビエンナーレの内容についてはこちらを↓)
http://fukuhen.lammfromm.jp/2007/11/post_200.html
石上さんと構造家の佐藤淳さんとの対談のところでは、またもや石上さんの新たな発想が生まれかかってて、
その思考回路を羨んでしまう。
どんなことを考えながら一日過ごされてるんだろうなあ。
そういえば昔SANAAの本を初めて手にしたとき、金沢21のランドスケープのページを見て、
“これが建築本なの?”ってちいさな驚きがあった。
妹島和世+西沢立衛/SANAA―WORKS1995‐2003

妹島和世+西沢立衛/SANAA―WORKS1995‐2003

石上さんの講演会でも同じ印象のふわふわとした可愛らしいスケッチを見るのだけど、
SANAA出身の影響なのか、石上さん自身がSANAA所属のときから発信してたのか、ふと疑問が起こる。



GINZA (ギンザ) 2008年 02月号 [雑誌]

GINZA (ギンザ) 2008年 02月号 [雑誌]

これも足やせのところだけ立ち読み。
ジョギングのすすめの箇所で村上春樹さんの本が紹介されていたのに思わずくすっとしてしまう。
走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること

とかいう私も、日々のささやかなジョギングライフに活力を!と思って購入してたのだっけ。
http://d.hatena.ne.jp/whirligig/20071121/1195648638
でも読んでから私に残ったのは、現実の自分にきちんと向き合えるようにという教えだった。
村上さんがマラソントライアスロンのレースで調子が悪かったとき、
どのように軌道修正をかけていくか、その心情の軌跡を追っていく。
小説家として成功している人が他のことで失敗しても大したことないじゃない、なんて思うかもしれない。
でもそうじゃなくて、誰でも遭遇する理想との乖離や達成できなかったときの落胆を、どう自分で処理していくのか、
そういったことをしみじみと考えさせられた。
だから読了してから数ヶ月経った今でも、象徴的に描写された女学生のポニーテールが胸を刺す。
まあそんな重い気持ちにならなくても、なかなか経験できないサロマ湖の100キロマラソンのところなどは、
読んでいる私までランナーズハイになれて良かった。
また時間を置いて読んでみたい本。
[追記]
うーん、どう失敗や落胆に対処していくかって、誰でも幼い頃からなんとか自分で処理してきてるよな。
教えられるというよりも、そのときの気持ちのもやもやを心地よい文章に書き上げられているからいいのかな。
そうやって淡々と我慢できた自分を肯定してもらえた気持ちになって、癒されているのだろうか。
1度読んだだけでは漠然としています。