『潜水服は蝶の夢を見る』をふたたび(シネカノン神戸)


先週観に行ったときに、十分作品を感じられていないような気がしてもう一度。
同じ映画を何度かみることはあるけれど、こんなに短いスパンでというのは滅多にないかも。
今回は梅田ではなく神戸ハーバーランドへ。
神戸の方が観客数が少なく、落ち着いてみられて良かった。


2回目だけあって、今回は十分作品の映像美を堪能できたような気がする。
にじんだように見えるぼかし、淡いグレートーンの風景、ピーコックグリーンを基調とした病室…。
それに感情を誘導させるような劇的な効果を使わず、淡々とストーリーが展開していくのも良かった。
自由がきかない身体を嘆いていたジャン=ドミニクが、小説を書こうと気持ちを切り替えたところは、話の筋としては大きな転換点のはず。
でもその心境の変化はとくに描かれていない。
ただ深夜の病室のテレビに延々と試験電波発信中の画面が映っているシーンが挿入されていた。
ベッドにはテレビを消すこともできず、苦痛の音と光で悶々としているジャン=ドミニクの姿があった。


サントラCDは発売されないそうだけど、この映画のためにつくられたピアノ曲も好き。
この曲が流れているシーンに重なるモノローグが深く胸にしみ込んでくる。
作曲はポール・カンテロン。

YouTubeで見付けたそのテーマ曲。場面は初めて車椅子に乗せられるところ。


原作本から脚色されたところをひとつひとつ噛み締めていると、
ジャン=ドミニクだけでなく、シュナーベル監督にも「魂のエレガンス」を感じてしまう。
他の2作品もみてみよう。
今年はアカデミー賞の発表が楽しみになった。
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