村上春樹新訳『ティファニーで朝食を』

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を

毎朝通勤で読む本を選ぶのがささやかな楽しみだったりする。
この日の朝、フクヘン。というブログが更新されていたのを読む。
タイトルは「ムートンで昼食を」。
内容は業界の方の食事会のことで本とは関係がないのだけれど、こんな文章が挿入されていたのですね。

なお、このエントリーのタイトルの元ネタは当然「ティファニーで朝食を」。
最近、村上春樹氏の新訳(新潮社刊)で出たので、読んだ。それで。
それについてはまた書きたい。良かったのだ。実に。

「良かったのだ。実に。」
その言葉にわっときてしまって、買い置きしてしてあったその本と、鞄の中の柴田元幸さん訳の短編集が取り替えられることになった。


うん、実に良かった。
あとがきの村上さんの感想とは異なってしまうのだけど、私はホリー・ゴライトリーの寓話を信じ続けるというよりも、憧れをもって読んでいたのだと思う。
きっとゴライトリー気分の、無防備で暴走気味だった若い頃だったらあまり面白いと思えなかった。
私自身がそのイノセンスの世界にまだ居られる頃だったら。
でもいくらか分別をもつようになって、ようやく自分の力加減を思い知るようになった今だからこそ、この小説の魅力に気付けたのだと思う。
どちらにしても鈴木芳雄さんや男性のおもう「良かったのだ。実に。」にはきっとかなわないなあ、とも思いながら読んでた。


そういえばフクヘン。で紹介されていた『スノードーム』も最近読んだ。
ここにも鈴木芳雄さんはエッセイを寄せられている。

スノードーム

スノードーム

ブログの文中でもそうなのだけど、なにかこそっと感じさせるものがあって、一度きちんとエッセイ集を書かれたらいいのになあと密かに願っているところ。


茂木健一郎さんの「クオリア日記」に鈴木さんの講義の音声ファイルがリンクされてる。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2007/11/post_7ca7.html
http://www.qualia.csl.sony.co.jp/person/kenmogi/lectures/suzukiyoshiogeidai20071119.MP3
アートやBRUTUSのおはなしが聴けます。(マイクの調子が悪いところもそのままなのが可笑しい)
↓こちらも参照すると良いそうです。
http://fukuhen.lammfromm.jp/2007/11/post_209.html