近況をメモ

美術館での英語講座は国立国際美術館にて。「液晶絵画 Still/Motion」。映像作品を集めた展覧会。自分にとっては不自由な言葉で作品を語ろうとすると、感じていたことが整理され、純化されていく。作品を通しての方が先生の語られている言葉が理解しやすい。好きで足を運んできた人はもちろんだけど、付き合いで来たのかなって人も展覧会に魅了されていくのが良かった。映像の強さ。BSEをテーマにしていると思われるチウ・アンションの30分ほどの作品は、時間がなくて観られなかった。またみにいこう。大阪は来月15日まで。次は東京都写美に巡回。


ランジェ公爵夫人」は九条のシネ・ヌーヴォで。意外に観客が多くて30名ほど。約2時間10分が短いと思えるのはリヴェットだからなのか。原作を読んでもやもやとしていたあたりをきちんと整理されたような印象が残った。そこのところはパンフレットの鹿島茂さんと同じかも。リヴェットの遊び心はおとなしくなっていたけれど、アントワネットが監禁から解放され舞踏会のおこなわれている邸宅に返される一瞬、彼の魔法が閃いていた。そこまでにきこえていたウミネコの声は、終わりの舞台への伏線。マヨルカ島のロケシーンの美しさは、やっぱりリュプシャンスキーだなあと唸らされる。ギヨーム・ドパルデューの足をひきずるところさえも、私のみたかったモンリヴォー将軍を浮かびあがらせてくれた。


佐川美術館で樂吉左衞門さんの講演会。「闇」の重要性を説かれる。ここの樂吉左衞門館の展示室も闇で満たされた世界。直島の南寺のような作品そのものとはなっていないけれど、数値で示される広さでは測ることができない空間のボリューム、闇のボリュームがある。茶室まわりの水盤には、前回みられなかった「ヨシ」が青々とした姿を浮かべていた。また写真を載せておきたい。