『ニュージオメトリーの建築 もうひとつのモダニズムをめざして』展
http://www.kirin.co.jp/active/art/kpo/art/now_4.html
松本旅行の記事もそこそこなんだけど、今日行った建築展の感想を書く。
会場は KPOキリンプラザ大阪
設計:高松伸 竣工:1987年
遠藤秀平・藤本荘介の二人の建築家が、
発泡スチロールという素材を用いて制作した体験型インスタレーション。
遠藤さんは建築をつくる上でのアイデアを立体化し、映像と共に展示。
「CRAVITECTURE 重力と空間の可能性」
重力によってたわむ一枚のボードを増殖させることによって、その間に多様な空間がつくり出される。
発砲スチロールという重力の拘束が小さい素材を使うことによって、日常意識することのない重力を意識すると同時に、その空間的可能性を探る。
藤本さんは本展のために考えた住宅案を、人の入れる実物サイズで展示。
「K house」は、この展覧会のための新作住宅です。
キリンプラザ6Fの会場を敷地に、小さな住宅を設計しました。
そして今回、その住宅を原寸で、会場内に建設してあります。
新しい幾何学を具現化した新しい住宅を、実体験してください。
私が初めて体験する藤本建築。
「小さなジャングル」というキーワードを藤本さんは与えていたけれど、
そろそろと探険するような気持ちでこの建物をまわっていた。
この不思議な感覚を上手く写真に撮れないのがもどかしい。
すぐ上の写真は、この《K house》の模型。
幾重にか重なった層が空間をつくり出していて、
ダイニングルーム→リビングルーム→ラボラトリー→スタディルームへと導かれる。
そのそれぞれの部屋の明確な境目はないし、ドアで空間が切断されることもなく、
「はなれていて同時につながっている」状態が表現されていた。
《T house》もこれに近い感覚を受けるのかな?
新しく私の目の前に現れるものを探りながら歩いていくと、
いつもとは違う、別の感覚が呼び起こされているのに気付く。
しばらくぐるぐると廻ったあと、私は上の写真のソファに腰掛けて、
藤本さんの今迄の建築映像を眺めながら、静かな時間を過ごしていた。
時間にすると約半時間ぐらい?
後にも先にも私以外のギャラリーは現れず。
初めての藤本さんの建築を、こんな充実した形で体験できたのが嬉しい。
早く本当の実作を体験できることを願う。