《丸亀市猪熊弦一郎現代美術館》

松江から香川県の方へ移動。
興味を持った美術館で「須田悦弘展」が行われていたので。

設計:谷口建築設計研究所
竣工:1991年


この美術館は駅前の便利な立地に建っている。
行ってみると、ほんとにJRの駅前すぐにあった。
最初に目にはいるのは上の写真の「ゲートプラザ」。
白い大理石の壁画の大きさが縦12m、横22mだそうで、
それを包み込むようにして屋根と壁が突き出している空間に迫力を感じる。




エントランスホールを上から撮る。
3階まで吹抜になっている。



展示室B。高さ9mあるそうで、
100号(もしくは120号?)ほどの絵も十分受け容れられている。
ここの常設展示はフラッシュを焚かなければ撮影可なんだけど、
誤ってフラッシュ撮影をして注意を受けている方をよく見かけた。



展示室Aの採光。裏に蛍光灯も備え付けられているけど、
Bと同じく自然光が採り入れられている。



カフェへの階段。



カフェ前にある「カスケードプラザ」。
写真に入っていない壁に滝がある。



名称が分からないけれど憩いの場。フリーで入場できる。
ここの仄暗い空間がなかなか良い。



エレベーターホール。



空中通路を見上げる。


きっちりつくり込まれているからなのか、
建物全体の印象は繊細なイメージを受けた。
建物のつくる光と影の線も影響してるのかもしれない。


その繊細さと重なるような感じがしたのが、
展示室Cで行われていた企画展、「須田悦弘」展。
今回用いられていたのは『雑草』。
(エントランスホールには《チューリップ》もあった。)
高さ7m、壁長132.31mという広い空間の壁際に、
ぽつりぽつりと数センチのオブジェが置かれている。
生活のなかでは見過ごされたり、ときには踏み付けてしまうようなものを、
皆で壁つたいにとぼとぼと歩きながら《雑草》を探すのが不思議な感じ。
壁というサインがあるから安定した動きで観られているけれど、
これが床のどこにあるか分からなかったら、
観客の動きは落ちたコンタクトレンズを探すみたいな感じになるんだろうなあと想像して、
そういうのも面白そうで、ひとりで可笑しかった。
おそらく須田さんの作品ではそんなゲリラ的なことはできなくなってると思うけど。


常設展の猪熊弦一郎さんの作品のことも。
作品タイトルに”landscape”、”集落”、”都市”とあるのが建築とつながるなあと思っていたら、
今の展示テーマは「ニューヨーク、建築、MIMOCA(ミモカ)」だった。
特に50代になってからのニューヨーク時代の抽象作品に惹かれる。
外国人からみた日本の現代建築ってこんな印象がするんじゃないかとひとりで想像していた。
先日の「美の巨人たち」で取り上げられた作品のうち一部の展示しか観られなかったけど、
あの番組で猪熊氏の絵画を把握できていたのが、鑑賞するのにおおいに役立ってた。



猪熊氏のイラストバッグを購入。
探していた書道バッグにしようと思う。

倉敷に移動。
明日はゆったりと大原美術館をまわる予定。