松隈洋『前川國男 現代との対話』
まだ完読していないけれど、既に胸がいっぱいになってる。
- 作者: 松隈洋
- 出版社/メーカー: 六耀社
- 発売日: 2006/09/26
- メディア: 単行本
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やっと前川國男展が関西にも巡回してくるので、関連として読み始めた。
http://aube.kyoto-art.ac.jp/(巡回は京都が最終らしい)
前川建築の変遷について。
もろコルビュジェ影響下のモダニズムから、
タイル壁に象徴されるような作風へと移っていったのはなぜか。
それを前川の退化と見るのか、よりリアリティに近づいた証明なのか。
そういった言及や議論を読んでいて、
3年前の弘前で前川建築巡りを思い返していた。
7件(残り1件は今年観に行った)まわるのは距離的にはとてもたやすかった。
でも弘前公園には明らかに感じの異なる建物が並んでいて、
予備知識なかった私は、どちらも目的の建築なのか、なんども位置を確認していた。
《弘前市民会館》
《弘前市立博物館》
このふたつが隣り合ってる写真も残しておけば良かったな。
作風が変わるのは作家や画家でもよくみられることだと思う。
けれど建築物、それも公共性のあるものは社会の中に建っていて、
だから前川國男はなにを残していったのか、今これだけ議論されるのにも意義があるだろう。
ただ前川はそれについて直接的に文章や言及として残さなかったらしく、
建物のみを前にして、答えのない問いかけは続く。
私は答えは必要ないと思う。
どう感じるか確かめることによって、自分の建築観、もしくは人生観が浮き彫りになってくるような気がする。
(追記)本の中でも書かれていたけれど、
前川建築は室内に風景が込められている、というのは前述の《市民会館》で感じた。
天井が星みたいってぼうっとしてしまった。
上野でもそんな感じだったような記憶がある。