本で旅する

図書館で借りていた本の返却が迫っていて、昨晩から駆け足で読みました。

アルメニア共和国の建築と風土―Out of the Frame

アルメニア共和国の建築と風土―Out of the Frame

西アジアの小国、アルメニア共和国に点在する教会建築の調査の体験について、専門的な用語や図面はほとんど省き、一般に向けて書かれていて、アルバムのような紀行文のようなかたちでまとめられています。
さらさらと読むだけではとても全てを把握しきれなかったし、丁寧に書かれた文章に対しても失礼でした。
そして表舞台には出てこないこの小さな国のことを、せめてページをめくっているひとときだけでもきちんと見つめておきたかったです。要再読。
隣国のトルコやアゼルバイジャンとの関わり、ナゴルノ・カラバフ自治州の経緯などは、この本を通して初めて注意を向けることができたのです。
崩れかかった石造りの教会のモノクロ写真たちがとても詩的でした。



もうひとつ、これは発売予定の建築本のことをメモ。
なんとアセテートから藤森さんの本が出版予定だそう。

藤森照信著『グラウンド・ツアー』(2008年6月刊行予定)
グランド・ツアー?、いえいえ『グラウンド・ツアー』です。
超古代へ、そして生の根源へ向かった藤森照信の実証的背景を今明らかに。
藤森照信がこの20年弱を旅し、そこで考えた記録とともに、現地への詳細なガイドを作る予定です。ノート・写真すべて藤森照信自身によるもの。現在聞き取り中。書物だからできる形式を楽しく検討中です。分冊予定です。

わー、どんなところが対象になるのだろう。去年読んだ奇想遺産で登場したところも面白そうなんだけど。

奇想遺産―世界のふしぎ建築物語

奇想遺産―世界のふしぎ建築物語