今週読んだ本

読了できたのは少なくて2冊

「結婚式教会」の誕生

「結婚式教会」の誕生

一斉に建設された、互助会グループのチャペルの例を中心に、
キリスト教を信仰していない者が、教会で、ときには教会もどきの建物で結婚式を挙げる現象を論じている。
確かに一時期S造のチャペル群の現場がかなりあったことを思い出す。
安普請の建物は一定の時間が経てば、模様替えするように立て替えるのかな。
その時期を迎える頃、挙式の空間に対する嗜好ってどう変化してるのだろう。
互助会のチャペルってディズニーランドとなんだか似てる。


宗教活動が行われないで、十字架だけをつけた建物を批難するとなると、
安藤忠雄さんの風の教会、水の教会、海の教会などもその範疇に入ることを暗に五十嵐さんは指摘されている。
もちろん青木淳さんの白い教会もそう。
でも互助会のチャペルは苦手だけど、青木さんの教会は良かったって思う私はなんなのだろう。
機会があったら、本書で紹介されていたKDAの小淵沢のチャペルも行ってみたいとかも思ってしまうのだけど。
結婚式教会を通して、宗教観だけでなく、その人にとっての建築というものの意識が透かして見えてくる。


五十嵐さんはあまり言及されなかったけれど、例えば私の母校は卒業生を対象にチャペルを挙式用にも利用させている。
宗教活動も行っているし、神学部の先生(主事)が牧師をつとめてくださる。
そういった事例も本書でとりあげてほしかった。 



小さな建築

小さな建築

象設計集団の富田玲子さんの著書。
吉阪隆正さんに師事された方というのに興味があって手に取る。
富田さんの生い立ちや家族の話を読んでいると、必然的に丹下健三さんじゃなく、
吉阪隆正さんに引き寄せられていったのだなあというのがよく分かる。
時流にのった世の中を牽引していくような動きも素晴らしいかもしれないけれど、
象設計集団のようなこつこつと物事を積み上げていく仕事も存在する。
そのことを忘れないでおきたいと思った。


コーネリアスカヒミカリイなどのアルバムのアートワークを手がける、北山雅和さんの作品集。
私はコーネリアスのオリジナル曲のCDが入っているということで購入。
8分のCDのために5千円の本って、やっぱり勿体なかったかな。
それにしても本タイトルと同名の「LiGHT STUFf」って曲はいい。
静まりかえった夜中に聴くと、重なり合う音の中に埋もれてしまいそうになるのが心地よい。
作品集にも好きだったアートワークを見付けたりして、
いつもはMacに曲だけ取り込んで、しまい込んでしまうCDたちのことを思い起こしてた。
最近はその手順すら踏まずに、小さな画像を目にしてるだけだってことも。
あと小山田さんや信藤三雄さんとのインタビュー記事があって面白い。(字がすごく小さいせいか、まだ全部読む元気がないのだけど)
そこで「Sensuous」のジャケットはペンキを実際に垂らす手作業を撮った写真で、カメラの解像度のせいでRの処理が粗くなってるってことを知る。
改めて見直してみても、やっぱり写真に見えないなあ。

SensuouspointA LONG WEEK-END