「決壊」を読み始める

今の状況として、新しい本を読み始めるのは良くないなあとは思うのだけど、
やっぱり昨日書店に立ち寄ってしまいました。
発売日を心待ちにする本って、最近なかなかないような気がします。
きっかけは平野さん自身のブログで告知があった、「NEWS23」のインタビューを観たことでしょうか。
TVということでわかりやすく、しかも秋葉原殺傷事件とからめるようなかたちで『決壊』が紹介されていたのだけど、
匿名で発言することが一般化した弊害や、一連の無差別殺人や通り魔事件はテロではないかというのに共感。
次の日の朝食に母も同じ番組をみていたことを話していて、やはり平野さんの新作に興味があるようでした。
年代も嗜好も違う母にも響くなんて。そのとき『決壊』が広く読まれるような予感がしたのでした。

決壊 上巻

決壊 上巻

今朝の日経の文化欄はこの『決壊』がテーマでした。
ここでは開催中の展覧会に関するアートが取り上げられることが多いので、まだ発売して間もない書籍が話題になっているのが、この小説の期待度を表しているのだなあと思います。
はじめの簡単なあらすじもあるので、目を通されることをおすすめ。
NEWS23」のインタビューではきけなかった、作者の主旨も書かれています。
記事中にあげられている『悪人』(吉田修一)『顔のない裸体たち』(同じく平野啓一郎)は私も一読しているのだけど、どちらも後半からラストにかけての内容がしっくりこなかったのです。
私自身が表面的な闇にしか触れていないからなのか、でももっと違う描き方ができたような気がしてならないのだけど。
今度の『決壊』はどんな感触があるんだろう?
他の課題もあって、まだ上巻の100ページ目です。

悪人

悪人

顔のない裸体たち

顔のない裸体たち