《横須賀美術館》

whirligig2008-03-01

設計:山本理顕設計工場
竣工:2006年7月



この土曜日は横須賀まで足をのばしてみた。
そこには青い海、青い空が広がっていて、久しぶりに気持ちの良い風景を目にしたような気がする。
まだ芝の色は枯れていたけれど、3月はやっぱり春の到来を実感させてくれた。


この美術館の建物について、私は全然その魅力を感知してなかったんだなあということを、実際訪れてみて思いしらされる。
なんとなくおおまかな外観のイメージから、グリッド状に設計された四角い容れ物と思い込んでいたのですね。
海がそばにある立地が魅力の美術館なんだろうなあって。
なぜかそのときの建築雑誌も手にしていなかったし。
でもただの四角い箱なんじゃなくて、ガラスの外皮と鉄板の内皮の二重構造になっていたのでした。


私は最初、内皮はRCなのかなって思った。鉄板にみえない。白くてかまくらみたい。
でも鉄板そのものが外壁になっていたら、近付きがたい異様な公共建築になっていたかも。
白いやわらかなカーブの鉄板をガラスで覆うことで、塩害や日光から美術品を保護するだけでなく、閉塞感を感じさせない空間をつくり出している。
建物内の撮影は禁止されていたので写真では伝えられないけど、内皮の開口になっている丸い孔がとても効果的で面白い。
海側をのぞけば、美しい空と海面が切り取られた風景。
1階の展示室からは次の地下につづく展示が垣間みれて、美術館をまわる高揚感につながる。
エントラスや図書室への渡り廊下からも展示風景が遠くから眺められるし。
さまざまな空間とつながっていることを意識する見えと隠れの効果。
これは金沢21や青森県立美でも顕著に感じるのだけど、ここのは丸い孔っていうのがいい。「のぞいてる」ってことが楽しめる。




そして屋上の海の展望台。ここは下手なこと書けないな。
ただただ自然の美しさを感じるところ。


レストランも楽しかったし、美術館のオリジナルグッズも充実してたし、なによりも活き活きとしている場所になっているのがとても良かった。